大口契約は嬉しいけれどリスクもあるという話

プロのコーチであれば、クライアントを獲得するにはどうしたらいいのかと悩みますよね。

個人事業主なら、自分で営業を掛けなければ仕事は得られませんから、その方法が知りたいわけです。

そんな時、偶然にも大口契約の話が舞い込んだとします。

もちろん嬉しい話なのですが、浮かれる前に少しだけ冷静な視点を持った方がいいのかもしれません。

10年もプロコーチをやっていると、良い事もたくさんありますが、「しまった!」ということもあるのです。今日はそんな経験から書いてみます。

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

人によってその契約が大口か小口かの判断は分かれるところです。10件のクライアント料が毎月入ってくるような法人契約は大口契約なのか、それとも小さな契約なのか?

これは感覚で決めるのではなく、その事業のキャパシティから考えた方がいいのです。

 

専業のプロコーチもいれば、兼業プロコーチもいます。

昼間は会社勤めをして、休日や夜間にコーチングセッションを行うのが兼業コーチの場合、専業コーチに比べるとコーチングの仕事に避ける時間は限られています。

専業コーチにしても、ひとりで仕事をこなしていくのであれば、1日24時間x1ヶ月x12カ月の中でどう仕事をこなしていくかということになりますので、こちらも時間的な制約があります。

 

さて、あなたがコーチングという仕事に避ける時間の中で、クライアントは何人持つことが可能ですか?

 

これは提供するコーチングプログラムによっても変化すると思います。私の場合は、おひとり120分間/月間を基準に月2回ないし3回のセッションを提供しています。人によっては月4回提供する場合もあるでしょうし、単発のセッションを提供している人もいるでしょう。

こうした状況で、あなたが仕事に避ける時間に最大限にプログラム回数を組み込んだ場合に、クライアントは何人まで対応可能でしょうか。言い換えると、これ以上のクライアントは処理できないという最大値であり、あなたが利益を生み出す限界点ともいえる数字です。

これがもしひと月に15人だったとすると、「あなたの提供するプログラムの料金x15人」があなたが稼げるコーチングの月収になります。

この15人のクライアントをいつでも集められるのであれば、あなたは安定して最大月収を稼ぐことが出来ますが、現実にそうなっている人は少ないのだと思います。だから、稼ぐために一人でも多くのクライアントが欲しいわけですね。

 

こんな時に、10名の法人契約が舞い込んで来たら、それはあなたにとって大口契約ですし、またとないチャンスかもしれません。そして、今すぐにでも契約して翌月、いや今月からでもセッションを開始したいと思うのではないでしょうか。私も同じ状況だったら、そういう風に考えると思います。

でもね、ちょっとだけ冷静に考えてみましょう。

短期的には儲かる話です。だから飛びつきたい気持ちは分かりますし、生活に困っているのであればすぐに飛びついた方がいいのだと思います。

ですが、長期的に観たらどうなんでしょうね。

 

自分のキャパシティに対して目一杯の仕事を持ってしまうと、他のことが出来なくなるという事。そして、その「他のこと」の中には長期的な視点で大切なことが含まれているかもしれないのです。

例えば、営業活動。クライアントを獲得するためには何かしらの営業活動が必要です。自分の仕事のキャパシティの中には「新規の仕事を獲得する」ための時間を確保しておかないと、クライアントも新しい仕事もやってきません。この時間が削られてしまうということの意味はお分かりだと思います。ましてや、営業活動を始めたらすぐに成果が出るわけではないことも分かっているはずですよね。

 

もう一つの視点は、今回の10名のクライアントは「一つの契約」であるということです。つまりこの契約が解除されると10名のクライアントが一気にいなくなるということ。

個人のクライアントが10名いた場合、ある月に2,3名のクライアントが自分のコーチングを卒業するということは十分に考えられますが、10名が一気に契約解除になることは考えづらい事です。(もしあったならば、自分のコーチングの質を疑うべきです)

10名分の穴があくということは、翌月から10名分のコーチング料金が入ってこなくなるということで、これはとても辛いことですよね。

この辛い事態が現実に起こりうるのが大口契約なのです。

 

この視点を持って考えると、長期的に収入を安定させるためにも大口契約と小口契約のバランスを取ることが大切なのです。どのような比率にすればいいのかはあなたの懐具合(貯蓄と必要経費)によって考えればいいことですよね。

自分の仕事のキャパシティと希望収入、大口/小口契約のバランス、現在の貯蓄と必要経費から収入が下がったときにどこまで耐えられるかという余裕の度合い、そんなことをどこかで計算しながら仕事を見つけていくこともプロとして(個人事業主は特に)必要になってきます。

 

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