仕事のできる人とできない人の違い

先日、「あの人たちは、なんでこんな簡単なことを説明してもわからないんだろう?」という嘆きを聞きました。

「あの人たち」が誰なのかはさておき、「簡単なことを説明してもわからない」ということが問題ですよね。

説明してもわからない、何度言っても同じような失敗をする、応用や融通の利かない人、、、

こんな人たちに何か共通点があるのでしょうか?

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

あるクライアントが、自分の部下との関係構築に悩んでいたとします。

部下との関係に問題があると思う現象を聞くと、

・丁寧に指示を出したが部下がその通りに動いてくれない。

・ミーティング中に部下が自分の意見に反論してくる。

・ここ1,2週間で、部下は自分に対して挨拶もしないようになった。

というような具体例が出てきたとしましょう。(あくまで説明のための例です)

 

これらの事柄から何を見出すかが問題となるのです。

① ばらばらの出来事に見えるのか、それとも関連性があるように見えるのか。

② 関連性があるとしたら、どのような関連項目(共通項)があるのか。

③ その項目をどのような言葉で表すのか。

一見当たり前のことを言っていますが、人間が「考える」ときにはとても重要な事柄が含まれています。

それは「抽象」というもので、一見ばらばらに見える事柄(具体)に対して、共通項を見出し、それを言葉で表す。

 

先の例でいえば、「信頼」とか「信用」という言葉を思い浮かべる人が多いと思います。何かしらの原因で部下から信用されていないことがわかるかどうか。この作業の難易度は次のようになります。

a)説明されて理解できるかどうか?

説明されれば、なるほどと思います。が、少ないながらも「なぜ信用がないとわかるのか?」という疑問を抱き、「信用」という目に見えない抽象概念が理解できない人もいるのです。

b)自分自身で抽象概念を作り出せるか?

説明されて理解できることと、自力で「信用」などの抽象概念を頭の中で生み出せるかは大きく違います。抽象化するための言葉を知っているかどうかも両者の違いかもしれませんが、言葉は抽象概念と結びついているのでどこかで連動しています。

職場で指示されたり、説明されたら動ける人間と、大した説明もなく自分で課題を見つけて問題解決できる人間の違いも、概ねこれと似ているのです。

いわゆる地頭がいい人間は、この抽象化の技術に優れていて、ひとつのことを他の事柄に応用できるのです。こういう人は製造業から流通業に移ったり、他のサービス業に転職してもたいてい仕事をこなせる人たちなのです。そして、これが仕事ができる/できないの差の原因なのです。

 

コーチング中にコーチの頭の中では、抽象/具体の両面を交互に行き来しながらクライアントの話を聞いています。そうでないと、クライアントよりも広い視野で物事が見れないからです。クライアントの気が付いていないことを察して、質問という形でクライアントに視点を提供するのがコーチの役割の一つです。

クライアントはコーチの質問に答えるということを繰り返し行うことで、(抽象具体のみならず)問題解決の視点を持てるようになるのです。そうすることで今まで見えなかったもの(先の例では信用という抽象概念や、見逃しがちな具体事項)が見えてくるようになり、そうしたクライアントから出てくる言葉が「セッションが始まる前と今では、見えている風景がまるで違います」というものです。

例では極端に簡単な事柄を挙げましたが、実際のコーチングでもこの抽象化/具体化はよく行われていることです。

 

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