法人とのコーチング契約では守秘義務をどう扱えばいいのか

月末締め切りの原稿も提出したので、気分は晴れ晴れ。

月末の支払いを済ませて、手元に残ったお金を見てげんなり。

今日は落差の大きな一日でした。

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

昨日は契約主(コーチングの依頼主であり、支払いをしてくれる人 = スポンサー)とコーチングを受けるクライアントが別人物だった場合の話を書きました。

法人契約ではほとんどがこのパターンだと思いますが、以前私は大きなミスを犯した経験があります。

プロとしてお恥ずかしい話ですが、誰かの役に立つかもしれないので書いておきます。

 

もうだいぶ昔の話ですが、企業の社長からの依頼で社員にコーチングを提供するという機会がありました。ひとつの契約で十名くらいのクライアントだったのですが、私にとっては大口の契約になります。

当時の私はコーチングの守秘義務を、法人契約の場合でもそのまま当てはめていました。それまでは問題になったことが無かったからです。

で、問題の起こったこの会社との契約ですが、クライアントとの守秘義務があだとなったのです。

社長から依頼があったということは、その社長は私を信用してくれていたということです。この部分は良い事だったのですが、社員の方々は私のことは知りません。初めましてなので、そこには信頼関係がゼロの状態です。さらに言えば「社長が連れてきた人」という存在でもあったのですね。

10名もいれば、社長との関係もそれなりにバラツキがあります。そして私との相性も人それぞれ。

今でもそうですが、100%誰とでも相性が良いという人は居ませんし、プロコーチと言えど私も例外ではありません。そんな中で、コーチングの説明を事前に行い、合意を得てからセッションを開始したわけですが、10名すべてが私の見方になってくれるわけではありませんでした。セッション開始後1月を過ぎたあたりから何名か(後でわかるのですが2名程)が、私の「アンチ」の存在になったわけです。

 

それから1,2カ月間、そのアンチたちが社内で動き回って、コーチングをやめさせようと画策したのですが、それが結構巧妙で役員レベルまで動きが広がっていたのです。

そうなると社長も困るのですが、彼が一番困ったのは私とクライアントの間でどのようなやり取りがあって、どのような成果が出ているのかが分からなかったことです。しかもクライアントの個人的な部分も含めて話をしていたので、社長に訊かれても状況を正確に伝えないクライアントもいました。それでも半数は私の見方になってくれたのですが、どうもうまく伝わらず、結果的に社長もアンチを抑えきれずにコーチング契約は解除になりました。(今でも社長に迷惑をかけたなと心苦しく思っています)

だいぶ端折って書いているので伝わらない部分もあると思いますが、守秘義務が話をややこしくしてしまったことは事実です。

 

今なら別のやり方をします。(しています)

まず、契約主(スポンサー)に十分コーチングを理解してもらい、クライアントの意志で秘密にしてほしいことは契約主には伝えないことを認めてもらいます。そのうえでクライアントにコーチングの説明をし、基本的には依頼主にセッションの内容、状況を報告する義務をコーチが負っていることや、クライアントが秘密にしたい部分は依頼主に伝えないことも可能だということをきちんと説明をします。

これがないと、契約主(今回の例では会社)とコーチが信頼関係を結べませんし、クライアントとの信頼も守れなくなるのです。

個人で申し込まれたクライアントには通常の守秘義務をもってセッションを行いますが、法人契約はクライアントとコーチ以外の第三者が存在するので、このような手続きが必要となるのです。

 

 

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ICFの倫理規定って何のためにあるの?

今日は朝から雨。何となく引きこもりがちになってしまいました。

でも一番の原因は、月末で資料作成やら何やらが溜まっていたからなので、雨は関係なさそうですね。。。

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

土曜日に受けたセミナーの内容が国際コーチ連盟(ICF)の倫理規定を学ぶ内容でした。もちろんICF日本支部の理事をやっているのでその内容は理解していますが、実例を踏まえて学びを深めていくというプロセスがとても有効だったのです。

自分一人の経験では限りがあるし、他者の話を聴きながら疑似体験出来たり、新たな発想も出てくるからですね。

 

例えば、法人契約で受けるコーチングの場合、実際にコーチングを受ける人と、コーチにコーチングを依頼してくる人が違う場合があります。たとえば人事部の方から依頼され、営業部の人をコーチングするという場合があるのです。

個人で申し込んでくる場合は、依頼者=コーチングを受ける人なので、何の問題もありません。

法人契約の場合は何が問題になるかというと、実際にコーチングを受ける人が「受けたい!」と思っているわけではないということです。

 

個人で依頼してくる人は、それ相応の覚悟を持って「自分を変えよう」「成長したい」という意思があるので、コーチングの効果も得やすいのです。

それと比べると、法人契約の場合は「何で俺が受けさせられるの?」「俺、なんか問題あるんですかね?」という感じになってしまうので、その部分から手を付けていく必要があります。

別の視点で考えると、法人契約の依頼者はお金を払う人でもあります。たいていは会社の予算があってそこから支払われます。支払う方はコーチングの効果を得たいと思っているのに対して、「何で俺なの?」と思っているクライアントは効果を得ようとも思っていないのです。

正直、手ごわい事が多いのですね。

 

でも、そこはプロなので、何とかするものの、それでも時間が掛かるのは事実です。このタイムロスを依頼主である会社が理解してくれるならばラッキーなのですが、理解してくれない場合もあります。

この辺は、私も過去に痛い目に遭っているので何とかしなければいけませんが、何をするかというと依頼主と契約をする前にしっかりと話し合うことが大切なのです。これをあやふやなまま契約締結をするとお互いが損をします。

 

ICFの倫理規定は、やってはいけませんという禁止ルールみたいに捉えられる場合も少なくないのですが、結局のところコーチを守るために規定されているのです。ICFはプロフェッショナル・コーチの寄り合い処というか、組合みたいなものなので、組合員の利益を守るために必要な注意事項なのですね。

ご興味を持たれた方が居たら、ぜひご一読ください! こちらで日本語版を読むことが出来ます。

 

 

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見えているものを追っている限りは進化しない

ここ数日、勉強会やセミナーに参加しながら多くの刺激を受けて来ました。

一転して今日はのんびりモード。午前中は娘の通う学校の学園祭を見学。縁日っぽい雰囲気の中、やきそばやフランクフルトを頬張りながら過ごしました。

でも、暑かったですね。。。

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

昨日参加したイベントで、感銘を受けた講演があります。

それは杉井要一郎氏の講演です。

講演内容を私が理解した範囲で簡単に書くと、

・今のコーチ市場はクロスバウンド(国の境界線がない需給状態)になっている。
・日本も頑張っているが、いま日本で行われていることは欧米ではマニュアル化されて誰でも行えるものになっている。
・世界レベルのコーチングはもっと先を言っている。

そしてそれに追いつき、世界で選ばれるコーチになるためには、
・一人で何かをするのではなく、多くの人を集めてアイデアを創出する。
・今知っていることは、他人に挙げてしまいなさい。世の中が求めている価値はその次に向かっている。
・もっとITを知り、活用しなさい。

というものでした。元々の公演時間が短く、講師が参加者(日本のコーチ)に伝えたいであろうことの10分の1も話していないと推察するので、講師の考えていることのほんの触りの部分なのかもしれません。

 

それでも強いメッセージを感じ取ることが出来ました。

動機、きっかけはともかくとして、今の私が取り組んでいることを後押ししてくれるようなメッセージだったので、自分のプロジェクトに自信を持つことが出来たからです。

コーチングの教育プログラム(研修コンテンツ)は一般的にはノウハウの塊で、それを無償で公開するようなことはあまり行われておりません。でも、この価値は現時点でのもので、先に進むためには公開した方がもっと進歩するだろうというのが、『コーチングの風景』の原点となる考え方です。

そして、コンテンツをどう使うかという「知恵」を多くの人から集めて皆で共有しようというのが、コーチングスケイプ・ユーザー・グループ(CsUG)なのです。

ここから先の話は、コーチによってはこちらの意図と違う反応が返ってくるかもしれないので、あまり他人に話していませんでした。私は人工知能が人間をコーチングすることが出来ると思っていて、将来その人工知能を作ってみたいと考えています。

ウェブ上で無償サービスとして人工知能が行うコーチングを提供していくというのが私の夢なのです。

これって人によっては「自分の仕事が奪われるのでは?」という不安を作り出すと思うので、あまり話をしていませんでした。

でも、それ以上の(人工知能ではできない)コーチングを人間が生み出せばいいだけの話で、そこには進歩というよりも「進化」が存在します。

今我々が極めたいと思っているコーチングの技術を追っている限りは、進歩はすれど進化は出来ないのです。

もっと先を目指すという意味で、杉井氏の講演を聞いていてとてもワクワクしてきたわけです。

 

あなたが目指しているのは進歩?それとも進化ですか?

 

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