知識と経験 ― スキルを学ぶときに必要なこと

もう3月なのですね。忘れてました。

継続が苦手な私ですが、今年は「続ける」ことをテーマにいろんなことに取り組んでいます。

ブログの毎日更新が今のところ大きなものですが、それ以外にも英作文を毎日行うこともまだ数週間ですが続いています。一日一問でもいいから例題を解いていくという目標です。それ以外では最近始めたプログラミング言語の習得も。

どこまで続けられるのかという不安もありますが、まずはやり始めてみないと分からないことってたくさんありますからね。何事も経験です。

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

今日、とある企業向けのコーチング研修で「傾聴が難しい」という話がありました。

複数の発言者の話を聞くと、どうも相手の話を聞かなくちゃいけないし、次の質問も考えなくちゃいけないからどうして良いのか分からない、とのこと。

確かにそうですよね。私もコーチングを学び始めた頃は戸惑いました。

私の場合、最初に「全身全霊で聴け!」とばかりに教えられたものですから、その通りにしたら質問が浮かばずに頭の中が真っ白に。

まぁ、当然といえば当然です。幸いなことに思考錯誤を繰り返すうちに何とかなってしまったので、今に至っているわけです。

 

でも、他の教え方はないものかと考えて、先に質問の仕方を教えてしまえばいいのでは?と思いつきました。

質問の仕方も漠然としたものではなく、論理的な質問です。今は「2つの視点と3つのスキル」としてまとめているところです。

いろいろ検討した結果、質問は「型」が作りやすいのです。だから、コーチングを学ぶ人は最初にこの「型」を身に付ければ、ある程度以上の質問力が身に付くわけです。

 

では、傾聴はどうでしょうか?

質問の「型」というのは、論理思考の基本から作っています。なので、この「型」を理解すれば、相手の話を論理的に整理しながら聞くことができます。つまり質問の「型」が、そのまま傾聴にも応用できるのです。

この「型」に興味のある方は、現在制作中の研修コンテンツ『コーチングの風景』の公開(4月予定)をお待ちください。無償提供ですので、だれでも見ることができますよ!

もちろん、これさえできればコーチングが完璧に身に付くというわけではありません。でも、きちんと身に付けることができたら、コーチングもかなりのレベルには到達すると思います。

そこから先は、試行錯誤も含めて経験から学べばいいことです。試行錯誤、創意工夫といった経験から学ぶものは、教えるのも習得するのも時間がかかります。ですから、じっくりと時間を掛けて学ぶ必要があるのです。

習得に時間を要するスキルは、一日やそこらの研修では教えることは不可能なのです。

 

Wisdom without action is like a tree without fruit.
(行動を伴わない知恵は、果実の実らない樹のようなものだ。)

 

知識を得ただけで満足してても意味がありません。基本の「型」を覚えたらそれを試しながら、経験を積み、創意工夫を重ねてこそ意味があるのです。

 

あなたはこれまでの経験からどんなことを学んできましたか?

 

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スキルを簡単に身に付ける方法なんてあるの?

今日は仕事の合間に翻訳作業をしていました。といっても翻訳も仕事なのですけどね。。。

この仕事をしているのは英語の勉強も兼ねています。何もなければきっとこんなに英文を精読することはないだろうし、日本語に変換する過程で単なる訳語だけでなく意味合いも考慮した訳文(つまり意訳)を作る作業もしないからです。

そう思うと、基本的にはボランティアワークなのですが、こういう仕事に携わっている意味は大きいのだと思います。

 

こんばんは、コーチングスケイプの大森です。

 

英語といえば、先日こんな記事を読みました。

英会話を上達させる「パン屋メソッド」とは?

パン屋メソッドって何だろうと思って読んだのですが、何のことはない、ただ教えている方の実家がパン屋だったことに由来したネーミングでした。

でも、内容に共感できる部分があったので、今日はそれを書いてみます。

 

共感したのは、英会話の習得は楽なものではないと言い切っているところです。

最近の傾向として「もっと簡単な方法があるよ♪」というような謳い文句で客を引き付ける手法が浸透しているように思うのですが、そんなものは幻想にすぎないということをちゃんと言っているのが好感が持てました。

英語に限らず言語にはルールがあります。文法というと難しいと拒絶反応を示す人が居ますが、文法という言葉のルールを知らずに話したり聞いて理解できるはずがないのです。

それを無視するかのように「文法は不要」というアプローチには首を傾げるしかありません。

 

もちろん、リスニングや音読を繰り返すだけで言語を習得した人もいるでしょう。でも、そういう人たちは「楽に覚えられる方法はないかな」と考えている人たちからは想像できないくらいの量を繰り返し繰り返し、時間を掛けて習得したのだと思います。そして繰り返すうちに次第に文法的な感覚も身に付いたのだと。(それでも、難しい論調の新聞や雑誌、New York TimesやTimeなどは読めないのでは?)

ある程度の大人が外国語を習得するには、文法は欠かせないと私は思うのです。

 

何かのスキルをそれ相当のクオリティに達するまでに身に付けるには、かなりの努力が求められます。そして、最初の入り口は基本的な「型」から入るのが良いのです。

子供など、感覚が柔軟なうちは「習うより慣れよ」で構わないのです。むしろ子供が押さなければ、理屈では理解できないことの方が多いですから。でも、大人は違うのです。

 

きっとこれはコーチングにも当てはまると思います。コーチングはコミュニケーションスキルですから、(右脳的に)体感しながら覚えるのが良いに決まっていますが、少し頭が固くなった大人には「型」があった方が理解しやすいのです。

基本の型があれば、いつでも基本に立ち返れます。自分の実践しているコーチングを振り返り、型という物差しを当てることでズレている部分が分かります。感覚だけで教わるとこれができないのです。

 

もともとコミュニケーションが得意な人がコーチングを学ぶと、さほど苦も無く基本的なことは覚えられるのですが、苦手意識がある人には難しいのですね。

企業研修などでは、この苦手意識がある人が会社の指示で参加されることがあります。それ以外でもビジネスの現場では「感覚的に教える」ということが困難なことも多いのです。いわゆる頭の固い人だとか、左脳的な論理思考を重視する向きも多くいらっしゃいますから。

そういう方々には理屈で説明するのが一番理解されやすいことも経験上分かっています。

 

でも、コーチングというコミュニケーションスキルを「論理」などの理屈で説明する研修って意外とないんですよね。私の知る限り、体感するワークが主体で構成されている研修がほとんどです。

きっと必要としている人もいるだろうし、無いならば作ってしまおうと思い、現在そういう研修を制作中です。4月には完成して公開できると思います。近く、このブログでも紹介していきますのでご期待ください。

『コーチングの風景』 originated with Coachingscape

今は、この研修の制作に追われています。

 

あなたにとって簡単ではないけど、習得してみたいスキルは何ですか?

 

difficult photo

Photo by Sasquatch I

無駄って何だろう?

先日、「無駄なこと」に触れた投稿をしましたが、ある本を読んでいて面白い内容に触れたので、その「無駄」に関連して書いてみることにします。

その本というのは「数学する身体」(森田真生著、新潮社)です。この本の中でイギリスのある大学での研究について書かれています。その研究というのは、簡単なコンピュータチップを人手を介さず電子装置に作らせるというもの。研究のリソースを参照できていないので詳細は不明だけれど、本によると以下の結果が得られたとのこと。

予め論理機能を備えた論理ブロックをつなぎ合わせ、異なる音程の二つのブザーを聞き分けるチップを作るのですが、それは人間が設計に必要だと考える最低限度の論理ブロック数を下回ったブロック数で完成させたというのです。

さらに面白いのは、その論理ブロックの組み合わせの中には、人間から見て無駄だと思う回路も含まれているのです。試しに無駄なブロックを取り除くと、チップそのものは機能しなくなる。ということは、それは必要な回路だというわけですね。

研究者が詳細にその「無駄」と思われる回路を調べてみると、論理ブロック同士が電磁的な影響を相互に与えているらしく、人間だったら「ノイズ」として設計時に排除するものだった。つまり設計を行った電子装置は「ノイズ」を利用して回路を作り上げたということです。(結果として人間の考える必要な回路数よりも少ないブロックで作り上げた)

人間のエンジニアが設計する場合には、あらかじめリソースとノイズを定義して設計に取り掛かるので、このようなことは起こらないそうです。ですが、無機質な電子装置はそれを無視して利用したということですね。

本の中ではこの話を別の視点で扱っていますが、コーチ&ファシリテータの私としては別の意味で非常に興味深く読み取りました。

組織運営や問題解決をテーマとした話し合いの中では、本題に関係のないコミュニケーションを排除しがちです。「本線から脱線」とか「無駄話」として中断せざるを得ない場合が多いのです。時間的な制約があるから仕方のないことですが、無駄なものと切り捨てる前に注意深く「使えるものはないのか?」という視点で読み解く価値があるのではないか。

無駄を楽しむ余裕を持っていたい、と改めて思う次第です。

 

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Photo by daliscar1